サウナブームは3度ありましたが、そのたびに「サウナに訪れる人」は大きく変わってきました。
かつては限られた人のための場所だったサウナも、今では年齢や性別を問わず、多くの人に親しまれています。
今回は、第一次から第三次までのサウナブームを通して、利用者層がどう変化してきたのかを比較してみましょう。
誰が、どんな目的でサウナに入っていたのかを知ると、今のサウナ文化がより立体的に見えてきます。

サウナ利用者層はどう変わってきたのか
日本のサウナ史を振り返ると、設備や入り方以上に変化しているのが「利用する人達」です。
性別、年齢。そしてサウナに求める目的は、時代ごとに大きく異なります。
個々では第一次・第二次・第三次のサウナブームを軸に、それぞれの時代にどんな人がサウナを利用していたのかを見ていきましょう。
違いを比べることで、なぜ今のサウナが誰でも楽しめる場所になったのかが見えてくるはずです。
第一次サウナブームの利用者層
第一次ブームは、日本にサウナが根付き始めた時代です。
この頃の利用者には、はっきりとした特徴がありました。
男性中心・中高年が主役
第一次サウナブームの主な利用者は、圧倒的に男性、それも中高年層でした。
仕事終わりに汗を流す、体を鍛える、健康を維持するといった目的でサウナに通う人が多く、女性や若者の姿はほとんど見られません。
当時のサウナは公共浴場やスポーツ施設に併設されることが多く、雰囲気も硬派。
サウナは「強い人が入る場所」「我慢するもの」というイメージがあり、気軽に楽しむ場所とは言いにくかったのです。
目的は「健康」と「汗をかくこと」
第一次ブームでは、次のようにサウナに入る目的も非常にシンプルでした。
・たくさん汗をかいてスッキリする
・血行を良くして健康を保つ
・運動後のケアとして利用する
こうした考え方が主流で、リラックスや気分転換といった要素はまだ強くありませんでした。
サウナは体に良いから入るものであり、楽しさや心地よさよりも、効果や根性が重視されていた時代だったといえるでしょう。
第二次サウナブームの利用者層
第二次サウナブームでは、サウナを取り巻く環境が大きく変わり、利用者の幅も一気に広がりました。
家族連れ・女性利用者の増加
1990年代以降、スーパー銭湯や健康ランドが普及したことで、サウナを利用する人の顔ぶれは一変します。
男性だけではなく、女性や家族連れが当たり前のように施設を訪れるようになりました。
特に女性専用サウナや岩盤浴の登場は大きな転換点です。
サウナは「男性のもの」というイメージが薄れ、美容やリラックスを目的に利用する女性が増えていきました。
目的は「癒し」と「レジャー」
第二次ブームでは、次のようにサウナの目的も変化します。
・一日ゆっくり過ごすための癒し
・家族や友人と楽しむレジャー
・お風呂の延長としての利用
このように、サウナは主役ではなく、楽しみの一部として受け入れられていました。
熱さに耐えるよりも、無理なく過ごせることが重視され、利用のハードルがぐっと下がったのが特徴です。
第三次サウナブームの利用者層
現在進行形の第三次サウナブームでは、さらに多様な人がサウナを楽しむようになっています。
若者・ソロ利用者の広がり
第三次ブームでは、20~30代の若者や1人でサウナを楽しむ人が目立つようになりました。
SNSやメディアの影響でサウナが身近な存在になり、「1人でととのう時間」を求めて通う人が増えています。
また、個室サウナや小規模施設の登場により、初心者や女性でも安心して利用できる環境が整いました。
サウナは「みんなで行く場所」から「自分の時間を過ごす場所」へと変化しています。
目的は「ととのう体験」と「自己ケア」
第三次ブーム最大の特徴は、次のように目的がはっきりとした体験に向いていることです。
・ととのう感覚を味わいたい
・頭をリセットしたい
・自分をケアする時間が欲しい
こうした目的でサウナに通う人が増え、サウナはライフスタイルの一部として定着しつつあります。
健康や癒しを超えて、自分と向き合う時間を作る場所になったのが、第三次ブームならではの特徴です。
まとめ
サウナブームの歴史は、利用者層の変化の歴史でもあります。
男性中心だった時代を経て、家族や女性、そして今では若者や1人利用まで広がりました。
この流れがあったからこそ、現在の多様なサウナ文化が生まれています。



