サウナ初心者から中級者へと進むためには、「汗を流して水風呂に入る」というルーティンをこなすだけでなく、その質にこだわることが重要です。
特に注目したいのが、水風呂の「温度差」。
14℃と20℃、数字上ではわずか6℃の違いですが、体感や効果はまるで別物です。
この記事では、温度・深さ・動線の3つの視点から、自分に合う水風呂を選ぶヒントをご紹介します。

14℃と20℃の基本的な違い
14℃の水風呂は、いわゆるキンキンになったグラスのようなもの。
肌に触れた瞬間、全身がビリッとするほどの刺激が伝わるのが特徴です。
交感神経が一気に活性化し、短時間で身体が覚醒状態に切り替わります。
一方、20℃の水風呂はマイルドで入りやすく、初心者でも長めに浸かっていられる温度です。
急激な冷却ではなく、じんわりと体温を下げるため、副交感神経が優位になりやすく、落ち着いたととのいが得られます。
温度差がもたらす心身への効果
14℃は短時間で体表温度を下げるため、血管が一気に収縮し、その後の外気浴で一気に拡張します。
この振れ幅が大きいほど血流が促進され、強い爽快感を感じる状態がまさに「覚醒型のととのい」です。
対して20℃は緩やかな温冷刺激。
筋肉がじわじわとほぐれ、心拍数も落ち着きやすいため、リラックス効果が高いのが特徴です。
日常的な疲労回復や夜の就寝前にも適しています。
深さ・広さ・動線の重要性
温度だけでなく、深さや広さも体感に影響します。
肩まで浸かれる深さなら、全身を一気に冷やすことが可能です。
逆に腰や足元だけの浅い水風呂は、じわじわと冷えが広がり、長めに浸かるタイプの楽しみ方になります。
また、広さもポイントの1つです。
ゆったり脚を伸ばせるスペースがあれば、落ち着いて冷却できますが、狭い水風呂では他の人との距離感も意識する必要があります。
そして動線。
サ室から数歩で水風呂に入れる距離が理想です。
遠いと移動中に体温が下がり、冷却効果が弱まります。
また、タオルや休憩スペースの配置も要チェックです。
目的別・水風呂の選び方
刺激重視・短時間で覚醒したい人は14℃クラスを選びましょう。
朝サウナや気分転換におすすめです。
じっくりリラックス・日常使いしたい人は、20℃クラスを選びましょう。
長く浸かって疲労回復や睡眠の質を高めたいときに最適です。
体調や気分に合わせて使い分け、温度だけでなく深さや広さも考慮して、施設ごとに楽しみましょう。
実際に試してみた感覚
筆者が訪れた14℃の水風呂では、足先が触れた瞬間に冷たさが突き刺さるように広がり、20秒ほどで限界に。
外気浴では一気に視界がクリアになり、全身が軽くなる感覚がありました。
一方、20℃の水風呂では2〜3分浸かっても心地よく、徐々に体温が落ち着くことで、深呼吸の回数が自然と増え、穏やかなととのいが訪れました。
まとめ
今回は、水風呂の温度差を楽しむ方法について解説いたしました。
初心者のころは「水風呂は冷たい」というひとくくりの印象かもしれません。
しかし、中級者へのステップアップには、温度・深さ・動線という3つの要素を見極め、自分のコンディションや目的に合わせて選ぶことが大切です。
同じサウナでも、14℃と20℃の水風呂は全く別の体験を与えてくれます。
その日の気分や体調に合わせて選び、より深いととのいの世界を楽しんでみてください。